Nature ハイライト 医学:転移を狙い撃ち 2007年4月12日 Nature 446, 7137 ヒトの乳癌細胞で、腫瘍の新生血管の形成や腫瘍細胞の循環系への放出、循環中の腫瘍細胞による播種性の肺転移につながる肺毛細血管の破壊の原因となる遺伝子群が見つかった。これらの4つの遺伝子(epiregulin、COX2、MMP1、MMP2)のうちの1つを選んで標的としても腫瘍の進行を止められないが、臨床的に乳癌に相当するモデルで4つすべてを複合的に阻害すると転移が大幅に少なくなった。これにより、原発腫瘍がどういうものかにかかわりなく効果を発揮するような、転移抑制に特異的な薬剤併用法を設計できる可能性がある。 2007年4月12日号の Nature ハイライト 宇宙:「地球のそっくりさん」探し 進化:みんな平等に 医学:転移を狙い撃ち 細胞:多剤耐性の機構 材料:光で形を変える 生物物理:光合成の原動力 生態:過ぎたるは及ばざるがごとし? 細胞:C型肝炎にかかわる補助因子 植物:根と枝の幹細胞 目次へ戻る