Nature ハイライト 進化:みんな平等に 2007年4月12日 Nature 446, 7137 人間の多面的な相互関係で行われる処罰という行為が、平等主義的な感情から引き出されることのはっきりした証拠が、行動研究から得られた。あらかじめさまざまな額の金を与えられたプレーヤーが、その金を与えたり取り上げたりすることで他者に報酬を与えたり、罰を与えたりできるという実験ゲームでは、最も裕福なプレーヤーが最も厳しく処罰された。一方、最も貧しい者は処罰の程度が最も軽かった。プレーヤーは、協力行動とは無関係に、自分の所得を犠牲にして他者の所得を減らしたり増やしたりしたので、この行動は不平等に対する感情的反応により動機付けられていると思われる。平等を目指すという動機は、人間にみられる互恵や協力の進化の重要な要因であるかもしれない。 2007年4月12日号の Nature ハイライト 宇宙:「地球のそっくりさん」探し 進化:みんな平等に 医学:転移を狙い撃ち 細胞:多剤耐性の機構 材料:光で形を変える 生物物理:光合成の原動力 生態:過ぎたるは及ばざるがごとし? 細胞:C型肝炎にかかわる補助因子 植物:根と枝の幹細胞 目次へ戻る