Nature ハイライト 材料:光で形を変える 2007年4月12日 Nature 446, 7137 光を当てると大きさや形が変わる材料がある。これらは直接触れなくても機械的変形が起こるため、遠隔操作できるアクチュエーターとして応用できる可能性があり、関心がもたれている。しかし、これまで開発された光変形するポリマーやゲルはいずれも応答が比較的遅く、変形後は不安定になる。小畠たちが開発した新しい材料ではこれらの欠点が解消されており、大きさ10〜100 µmのジアリールエテン系分子結晶の2つの異なる安定状態間を、紫外光あるいは可視光をそれぞれ照射することによって、迅速かつ可逆的に切り替え可能である。また、この材料の棒状結晶を表面に付着させておいてスポットライトを当てれば、「バットのように」動いてごく小さな金粒子を打ち飛ばすことまでできる。動作中の結晶のビデオストリームはwww.nature.com/natureで見ることができる。 2007年4月12日号の Nature ハイライト 宇宙:「地球のそっくりさん」探し 進化:みんな平等に 医学:転移を狙い撃ち 細胞:多剤耐性の機構 材料:光で形を変える 生物物理:光合成の原動力 生態:過ぎたるは及ばざるがごとし? 細胞:C型肝炎にかかわる補助因子 植物:根と枝の幹細胞 目次へ戻る