Nature ハイライト 生態:過ぎたるは及ばざるがごとし? 2007年4月12日 Nature 446, 7137 生物多様性はどうして生じるのだろうか。1つの理論によると、さまざまな資源が不足している生態系では、水分やリン、窒素などの欠乏に対処するべく適応した種がそうした条件に有利となるので、多様性が増大すると考えられている。資源の豊富な条件では、生産力は増大するだろうが、そこで勝ち残るのは最も短時間で増殖して競合種を圧倒するごく少数の種だけだろう。資源の制限だけが種数の多さを説明する因子ではないが、HarpoleとTilmanは、資源の制限によってセジウィック(米国カリフォルニア州)の実験草地にみられる植物の生物多様性が説明でき、また、英国ロザムステッドにおける世界最古の生態学実験の結果もこれによって説明可能であることを示した。この研究結果は、富栄養化など、生物の生息場所を単純化させてしまいがちな人間活動による生物多様性の喪失についての新たな説明ともなる。 2007年4月12日号の Nature ハイライト 宇宙:「地球のそっくりさん」探し 進化:みんな平等に 医学:転移を狙い撃ち 細胞:多剤耐性の機構 材料:光で形を変える 生物物理:光合成の原動力 生態:過ぎたるは及ばざるがごとし? 細胞:C型肝炎にかかわる補助因子 植物:根と枝の幹細胞 目次へ戻る