Nature ハイライト

発生:マウスで得られた新種の胚性幹細胞

Nature 448, 7150

ヒトの胚性幹(ES)細胞は、適切な刺激によって事実上あらゆる種類の細胞に分化できる多分化能をもつため、臨床治療において重要となる可能性が高い。幹細胞研究の進展を阻む障害の1つは、ヒトとマウスのES細胞の間にみられる不可解な差異だった。今回、2つの研究グループがそれぞれ独立に行った研究により、新たな種類の多分化能性ES細胞が作製された。子宮内壁に着床後のマウス胚から得られたこれらのEpiSC(epiblast stem cell;胚盤葉上層由来幹細胞)は、「古典的」なマウスES細胞とは明らかに異なり、ヒトES細胞がもついくつかの主要な特徴がそっくり備わっている。このEpiSCは、基礎研究を加速し、恐らく将来的には治療目的へのヒトES細胞の使用をも促進する重要な実験モデルとなるだろう。

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