Nature ハイライト

構造生物学:間近で見るRNAポリメラーゼ

Nature 448, 7150

今週号では、2本の相補的な関係にある論文が細菌RNAポリメラーゼの構造と機能に焦点を当てている。1本目では、この酵素がDNA鋳型とRNA生成物に結合した状態にあるときの、転写伸長複合体の詳細な構造を示している。この構造から、すべての生細胞にとって必須であるDNAからRNAへの転写過程の詳細が明らかとなった。2本目の論文では、RNAポリメラーゼ伸長複合体が基質アナログおよび抗生物質に結合した状態が記述されており、基質の取り込みと抗生物質による阻害の機構が明らかにされている。RNAポリメラーゼはリファマイシンやその誘導体を含む抗生物質の標的となっているので、ヒトと細菌のRNAポリメラーゼの構造比較は薬剤設計に役立つだろう。

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