Nature ハイライト

生態:生物多様性は高いほどよい

Nature 448, 7150

複数種からなる群集の生産性と生態系機能を、種の絶滅が変えるかどうかについては、何年にもわたって議論が続いているが、一連のメタ解析によって意見の一致らしきものが得られている。つまり、種の喪失は生態系機能を損なう可能性があるが、それは、どの種が消滅するかによっており、また、多くの種は機能的に重複しているらしいという見解だ。しかし、ほとんどの生態系が複数の生態系サービスに関して管理されているにもかかわらず、これまでの研究は個別の生態系過程だけに注目してきた。A HectorとR Bagchiは今回、生物多様性と複数の生態系過程の関係を調べるために、複数の草地多様性実験の公表データを解析した。そして、種によって影響を及ぼす生態系機能が異なる場合が多いため、単一の生態系過程のみを調べる研究ではこの問題の全体像をつかめない可能性があることを見いだした。したがって、多機能をもつ生態系を確実に存続させるためには、これまでの研究で示唆されていたよりも大きな生物多様性が必要かもしれない。

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