Nature ハイライト 医学:老化と癌をつなぐ 2007年7月19日 Nature 448, 7151 p53タンパク質およびその調節因子であるArfの腫瘍抑制活性は、これらのタンパク質が損傷を受けた細胞を見つけ出し、取り除くのにかかわっていることに基づいている。老化は、癌と同じく、細胞損傷の蓄積と関連があり、損傷蓄積は老化を開始させる。Matheuたちは、p53とArfの濃度が高いこと以外は正常なマウスが、癌に対して耐性があるだけでなく、癌の影響の有無にかかわらず、通常のマウスより寿命が長いことを明らかにした。老化のいろいろな生物マーカーと分子マーカーが、これらのマウスがより長い時間「若いまま」であることを示しているのは注目に値する。内在性のArf/p53活性が高まると抗酸化効果が生じ、これが癌を抑え、また老化も遅らせるらしい。 2007年7月19日号の Nature ハイライト 医学:心房細動の危険因子 地球:ヨーロッパから離れたイギリス 進化:アフリカから出た人類 細胞:多能性幹細胞を作り出す 生物物理:タンパク質の熱力学 宇宙:イオからの大脱走 物理:ありそうもない組み合わせ 進化:選ばれたMEDEA 発生:細胞の移動 医学:老化と癌をつなぐ 目次へ戻る