Nature ハイライト 宇宙:イオからの大脱走 2007年7月19日 Nature 448, 7151 木星周辺の巨大なナトリウム星雲はガス雲だが、これがもし目で見えるものなら、太陽系でみられる最も大きな天体の1つとなるだろう。このナトリウムは、木星の衛星で活発な火山活動をしているイオからのものだと考えられている。Mendilloたちは、新しい観測技術を使って、ナトリウム源の正確な位置を突き止めた。高解像度スペクトルによって、ナトリウムが放出されている2つの領域が明らかになったのである。1つ目は、イオと、イオから放出され同じ軌道をまわるプラズマリングとの相互作用が後方に尾を引いている部分にみられる。2つ目は、イオを取り巻く球状のアウトフロー領域で、これは大気が吹き飛ばされて生じたものだ。電離層が後方に尾を引く長さはイオの半径の6倍で、ガリレオ探査機によるデータから推定された値の2倍以上であり、この長さはかなり変動しているようだ。 2007年7月19日号の Nature ハイライト 医学:心房細動の危険因子 地球:ヨーロッパから離れたイギリス 進化:アフリカから出た人類 細胞:多能性幹細胞を作り出す 生物物理:タンパク質の熱力学 宇宙:イオからの大脱走 物理:ありそうもない組み合わせ 進化:選ばれたMEDEA 発生:細胞の移動 医学:老化と癌をつなぐ 目次へ戻る