Nature ハイライト

宇宙:イオからの大脱走

Nature 448, 7151

木星周辺の巨大なナトリウム星雲はガス雲だが、これがもし目で見えるものなら、太陽系でみられる最も大きな天体の1つとなるだろう。このナトリウムは、木星の衛星で活発な火山活動をしているイオからのものだと考えられている。Mendilloたちは、新しい観測技術を使って、ナトリウム源の正確な位置を突き止めた。高解像度スペクトルによって、ナトリウムが放出されている2つの領域が明らかになったのである。1つ目は、イオと、イオから放出され同じ軌道をまわるプラズマリングとの相互作用が後方に尾を引いている部分にみられる。2つ目は、イオを取り巻く球状のアウトフロー領域で、これは大気が吹き飛ばされて生じたものだ。電離層が後方に尾を引く長さはイオの半径の6倍で、ガリレオ探査機によるデータから推定された値の2倍以上であり、この長さはかなり変動しているようだ。

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