Nature ハイライト 植物:ジャスモン酸とオール・ザット・JAZ 2007年8月9日 Nature 448, 7154 ジャスモン酸は、ジャスミンの香気の主成分としてよく知られている脂質オキシリピンの1つで、そのシグナル伝達の中心となる構成要素が明らかになっていなかった最後の主要な植物ホルモンである。今回2つのグループが、わずかに異なった角度からこの問題に取り組み、謎を解決した。ThinesたちとChiniたちはそれぞれ、JAZ(jasmonate ZIM-domain)タンパク質ファミリーに属する分子群が、このジャスモン酸シグナル伝達経路の主要な構成要素であることを報告している。JAZタンパク質は通常ジャスモン酸応答性遺伝子を抑制するが、ジャスモン酸誘導体であるジャスモノイル-イソロイシン(イソロイシン結合型ジャスモン酸)はJAZタンパク質をユビキチンリガーゼ(SCFCOI1)に結合させる。その結果、JAZタンパク質の分解が起こって遺伝子発現の抑制が解除され、このシグナル伝達が確保されるのだ。 2007年8月9日号の Nature ハイライト 細胞:波の力 物理:埃をかぶった技術を引っぱり出す 植物:ジャスモン酸とオール・ザット・JAZ 物理:量子フェロ流体 海洋:大西洋中央海嶺で起こる混合 地球:海で見つかった大地の名残 神経:バッタの記憶形成 生態:森は昆虫だらけ 目次へ戻る