Nature ハイライト

物理:埃をかぶった技術を引っぱり出す

Nature 448, 7154

Chapmanらは、アイザック・ニュートンが干渉を実証するために行った「埃をかぶった鏡(dusty mirror)」の実験からヒントを得て、超高速高強度X線パルスを用いて微小粒子を研究する方法を考案した。ニュートンの実験では、裏面が水銀メッキされた鏡の表面上の塵粒子によって、可視光散乱が2度起こり(1度目は鏡へ入る際に、2度目はメッキ面で反射された後に)、その結果円形の干渉パターンが生じる。現代版の実験では、X線ミラーの前に設置されたポリスチレン粒子付き薄膜上に、X線パルスが集光される。パルスはその薄膜サンプルを通過する際に粒子の爆発を引き起こし、さらに、X線ミラーによって反射されてサンプル上に戻ってくる。その結果生じる回折パターンには、破壊された粒子に関する時間分解および空間分解された正確な情報が含まれる。この種のX線「フラッシュ」イメージングは、原子運動の時間スケールで物質の3次元動態を研究するのに使えそうだ。

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