Nature ハイライト 物理:超伝導の島から島へ 2007年10月18日 Nature 449, 7164 超伝導薄膜が無秩序になり、かけた磁場を強くしていくと、薄膜が超伝導状態から絶縁体状態へ変わる転移点に到達する。Dubiたちは、数値シミュレーションを行ってこの転移の性質を調べ、この転移に2種類あることを示している。無秩序性の重要な効果は、超伝導が強い「島構造」を作り出すことである。この島構造は、超伝導がごく弱い領域によって連結されている。無秩序性が弱い場合、磁場を強くしていくと、最後にはこの物質全体で超伝導状態が破壊され、絶縁体になる。無秩序性が強い場合は、超伝導はこの島構造ではそのまま存続し、磁場の効果で島構造間の連結が弱くなると、この場合にも絶縁体状態になる。これらの知見は、固有の無秩序性が重要な役割を果たしていると考えられる高温超伝導体と直接関係している可能性がある。 2007年10月18日号の Nature ハイライト 工学:太陽光で発電するナノワイヤー 宇宙:最も遠く最も重いブラックホール 遺伝:向上を続けるHapMap 進化:敵を知り己を知る 細胞:ピロリ菌の標的はインテグリン 考古:海辺の生活の始まり 物理:超伝導の島から島へ 気候:深海からの二酸化炭素放出 細胞:抗ウイルス作用をもつmiRNA 目次へ戻る