Nature ハイライト 遺伝:向上を続けるHapMap 2007年10月18日 Nature 449, 7164 国際HapMapコンソーシアムは、画期的なヒトゲノム・ハプロタイプ地図の第2世代版を発表した。この第2段階のHapMapは、ヒトの遺伝子変異を初代のものよりさらに詳細にマッピングしてあり、含まれる遺伝子マーカーの数は3倍に増えた(Article p.851)。初代のHapMapは、ゲノム全体にわたる大規模な相関性研究を可能にするのに役立った。今週号には、この種の研究が「HapMap2」によってどう展開していくのかを示す研究が報告されている。Sabetiたちは、ヒトの遺伝子にかかる正の自然選択の徴候を検出した以前の研究を足掛かりにし、新たに利用できるようになったより多くのマーカーを用いて、地理的領域に基づいて集団特異的と思われる選択を3例見つけ出した。西アフリカの例にはラッサウイルス関連の遺伝子2個、ヨーロッパの例には皮膚色素沈着関連の遺伝子2個、アジアの例には毛包関連の遺伝子2個が含まれている。Sabetiたちは、これらの選択がヒトの生物学的特性にどのように関連しているかを推測している(Letter p.913)。 2007年10月18日号の Nature ハイライト 工学:太陽光で発電するナノワイヤー 宇宙:最も遠く最も重いブラックホール 遺伝:向上を続けるHapMap 進化:敵を知り己を知る 細胞:ピロリ菌の標的はインテグリン 考古:海辺の生活の始まり 物理:超伝導の島から島へ 気候:深海からの二酸化炭素放出 細胞:抗ウイルス作用をもつmiRNA 目次へ戻る