Nature ハイライト 考古:海辺の生活の始まり 2007年10月18日 Nature 449, 7164 ヒト(Homo sapiens)がこの世に出現して初めて行ったのは、海辺に向かうことであったと言われている。このことのめざましい証拠が、南アフリカのピナクルポイント付近にある海食洞の中期更新世堆積物で見つかった一連の発見から得られた。この発見物は、約16万4千年前頃には、そこの居住者たちが貝類も食料にしていたことを物語っており、沿岸資源が利用されていたことを示す最古の証拠としては、これまでより約4万年古くなる。また、彼らが象徴行動用に赤色オーカーなどの顔料を用いていた証拠も得られた。この時期の地球は低温乾燥期で、アフリカの大部分は不毛の地であった。おそらくこの環境ストレスが、狩猟採集民の小集団を新たな食料資源と生活様式を求めて海辺に移動させたのだろう。 2007年10月18日号の Nature ハイライト 工学:太陽光で発電するナノワイヤー 宇宙:最も遠く最も重いブラックホール 遺伝:向上を続けるHapMap 進化:敵を知り己を知る 細胞:ピロリ菌の標的はインテグリン 考古:海辺の生活の始まり 物理:超伝導の島から島へ 気候:深海からの二酸化炭素放出 細胞:抗ウイルス作用をもつmiRNA 目次へ戻る