Nature ハイライト 細胞:遺伝子抑制タンパク質 2007年11月8日 Nature 450, 7167 ヒストンの修飾にはリシン残基のメチル化などがあり、クロマチン構造と遺伝子の発現に影響を与える。ヒストンのメチル化は、JmjCドメインファミリーに属するヒストンデメチラーゼによって、元に戻る。このようなヒストンデメチラーゼの1つであるJHDM1Bは、腫瘍抑制タンパク質であると考えられている。今回Frescasたちは、このJHDM1Bが発癌において果たすとみられている役割を確認した。JHDM1Bは、ヒストンH3のトリメチル化された4番目のリシン残基の脱メチル化によって、リボソームRNA遺伝子の発現を抑制することがわかった。また、JHDM1Bは細胞の成長と増殖にも影響しており、JHDM1Bの減少が腫瘍発生を促進する可能性が出てきた。 2007年11月8日号の Nature ハイライト 宇宙:土星の自転の謎 気候:成層圏オゾンの侵入 化学:有機金属化学 細胞:伝えるしっぽ 生化学:高精度のタンパク質構造予測 物理:ボーズ-アインシュタイン凝縮体を用いた共振器量子電気力学 環境:埋もれた炭素の安定性 発生:心臓の非対称性 認知:湿気と乾燥を見分ける 細胞:遺伝子抑制タンパク質 目次へ戻る