Nature ハイライト 気候:成層圏オゾンの侵入 2007年11月8日 Nature 450, 7167 オゾンは地球の対流圏の化学的平衡と熱的平衡を保つ上で重要な物質であり、ヒドロキシルラジカルの生成を介して他の汚染物質を酸化し除去する大気のこの層の能力を制御している。対流圏オゾンは、重要な温室効果ガスでもある。対流圏下層における光化学過程が対流圏オゾンの主な生成源であるが、成層圏オゾンの対流圏への侵入も、全体的な気候収支における要因の1つである。今回Hockingたちは、新しいウィンドプロファイラーレーダーと大気中のオゾン濃度を測定するオゾンゾンデの頻繁な放球、およびコンピューターによるモデル化を組み合わせて、レーダーによって測定される対流圏界面(成層圏と対流圏の境界面)の高さの急激な変化が、成層圏のオゾンのより下層への侵入が起こる際の徴候であることを突き止めた。この方法は、オゾンの侵入現象にかかわる機構の解明に役立ちそうだ。 2007年11月8日号の Nature ハイライト 宇宙:土星の自転の謎 気候:成層圏オゾンの侵入 化学:有機金属化学 細胞:伝えるしっぽ 生化学:高精度のタンパク質構造予測 物理:ボーズ-アインシュタイン凝縮体を用いた共振器量子電気力学 環境:埋もれた炭素の安定性 発生:心臓の非対称性 認知:湿気と乾燥を見分ける 細胞:遺伝子抑制タンパク質 目次へ戻る