Nature ハイライト

エイズ:ウイルスの「繋留索」

Nature 451, 7177

HIV-1のアクセサリータンパク質で、一部のヒト細胞でHIV-1粒子の効率的な放出に必要とされるVpuに関する研究から、インターフェロン-αによって誘導可能な細胞表面タンパク質を主体とする「繋留索(tether)」の存在が指摘されていた。今回、この「繋留索」が、宿主細胞のこれまで機能が知られていなかった膜タンパク質分子CD317であることが突き止められ、今回新たにtetherinと命名された。tetherinは、HIV-1ビリオンを細胞表面に保持するのにかかわっていることが明らかになった。Vpuはこの働きを無効にし、ウイルス粒子の放出と伝播を可能にする。したがって、Vpu機能の阻害はHIV/エイズ治療戦略となる可能性がある。

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