Nature ハイライト

環境:ミシシッピ川の炭素フラックス

Nature 451, 7177

河川から海洋への溶存無機炭素の流れは、陸の炭素貯蔵庫と海のそれとを結びつける重要な正味のフラックスである。今回、ミズーリ州のキャロルトン地区とアルジェ地区の水処理施設で100年間という長期間にわたって行われてきた重炭酸塩測定記録を基礎データとして用いて、ミシシッピ川の水フラックスと炭素フラックスが調べられた。以前の研究で、ミシシッピ川によって海洋へ運び出された溶存無機炭素(ほとんどが重炭酸塩である)の量が過去50年間にわたって大きく増加していることが明らかになっているが、増加の原因はまだよくわかっていなかった。キャロルトンとアルジェのデータ、および小流域と降水量のデータとから、流域の農業地帯からの重炭酸塩の排出増加は降水量の増加とは釣り合わず、増加は主として人為的な原因で生じていることが示された。

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