Nature ハイライト 宇宙:軟ガンマ線バースト 2004年8月5日 Nature 430, 7000 ガンマ線バーストの一部は、宇宙からやってくる、エネルギーが高くて強力な爆発的放射であり、大質量星の崩壊が原因で生じ、ある種の特別な超新星を生み出す。しかし、これとは異なるバーストの方は、よくわかっていない。このバーストの性質に関して意見が分かれていることで、また別の問題があいまいになっている。それは、おそらく我々のもっと近傍で発生する、よりエネルギーが低くて強度が弱いガンマ線バーストの類が存在しうるのかということだ。今週号で、S Yu SazonovのグループとA M Soderbergのグループが、まさにこの問題について議論している。ガンマ線バーストGRB 031203は、宇宙論的スケールでいうと我々の比較的近傍で発生したが、そのガンマ線エネルギーが、一般的な宇宙論的集団に属するバーストよりも3桁小さいことを除けば、現在では超新星爆発と考えられる特徴をすべて備えていた。このバーストや、近傍で発生しいささか物議をかもしたGRB 980425(およそ40メガパーセク離れた位置に超新星残骸を伴っている)から考えると、どうやら比較的低エネルギーのバーストが多数、いまだ発見されずにいるようだ。 2004年8月5日号の Nature ハイライト 進化:離陸OKだった始祖鳥の脳 考古:農業の原型の証となるデンプン粒 宇宙:軟ガンマ線バースト 材料:孔があっても入れない 遺伝:考えられていたより高かった変異の頻度 生態:ヤマメからニジマスが生まれる? 目次へ戻る