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考古:農業の原型の証となるデンプン粒

Nature 430, 7000

作物となる植物を栽培化して、毎年種をまき、収穫するという農業形態の起源はおよそ1万年前の中東にさかのぼる。この地域は、現在の大麦(Hordeum vulgare)や小麦(Triticum spp.)の祖先種の故郷でもある。だが、農業は非常に長い年月をかけて何段階かを踏んで出来上がったものであり、その間に人類は野生の穀類を採集し、粉をひいて調理することを覚えた。 D R Pipernoたちによると、穀類の栽培化の12,000年前にあたる、今から少なくとも22,000年前には、人類は特定の野生穀類を日常的に加工処理し、それと合わせて穀類をひいた粉をうまく調理することができたという。このことは、現在のイスラエルのガリラヤ湖南西岸にある旧石器時代のオハロII遺跡を調べてわかった。野生のイネ科植物の種子(大麦とおそらく小麦)のものであるデンプン粒が、石製の粉ひき用の道具にくっついて残っていたのだ。これは、人類が野生穀類を加工処理したことを示す最古の直接的な証拠である。

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