Nature ハイライト 宇宙:風と共に去りぬ 2009年3月26日 Nature 458, 7237 恒星質量ブラックホール、すなわちマイクロクエーサーの相対論的ジェットと円盤との結びつきは、電波領域からX線領域で詳しく研究されてきた。その中で、GRS 1915+105は最もよく研究されている例の1つである。しかし、こうした天体でジェット生成を誘起し抑制する機構は、依然として謎である。J NeilsenとJ Leeは、GRS 1915+105の高分解能X線スペクトルを解析し、X線に関して硬い状態の暗く広い輝線と、軟らかい状態の明るく狭い吸収線を発見した。彼らは、ジェットが内側の降着円盤を照らし出す際に、幅の広い輝線が発生すると考えている。ジェットは、軟らかい状態では存在せず、このことからブラックホールを取り巻く輻射場が、高温のウィンドを降着円盤から遠ざけていることが示唆され、このウィンドがジェットへの物質流入を止めるのに十分な質量を降着円盤から運び出していると思われる。 2009年3月26日号の Nature ハイライト 進化:初期の硬骨魚類の姿 生化学:snurpがイントロンを切り出す仕組み 宇宙:風と共に去りぬ 物性:スピン起電力 地球:小プリニウスが見落としたもの 免疫:自然免疫系のセンサー 医学:骨吸収を抑える 生化学:ニコチンの二重生活 目次へ戻る