Nature ハイライト

宇宙:風と共に去りぬ

Nature 458, 7237

恒星質量ブラックホール、すなわちマイクロクエーサーの相対論的ジェットと円盤との結びつきは、電波領域からX線領域で詳しく研究されてきた。その中で、GRS 1915+105は最もよく研究されている例の1つである。しかし、こうした天体でジェット生成を誘起し抑制する機構は、依然として謎である。J NeilsenとJ Leeは、GRS 1915+105の高分解能X線スペクトルを解析し、X線に関して硬い状態の暗く広い輝線と、軟らかい状態の明るく狭い吸収線を発見した。彼らは、ジェットが内側の降着円盤を照らし出す際に、幅の広い輝線が発生すると考えている。ジェットは、軟らかい状態では存在せず、このことからブラックホールを取り巻く輻射場が、高温のウィンドを降着円盤から遠ざけていることが示唆され、このウィンドがジェットへの物質流入を止めるのに十分な質量を降着円盤から運び出していると思われる。

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