Nature ハイライト Cover Story:見つかりそうもないものを探す:小惑星2008 TC3の破片の追跡 2009年3月26日 Nature 458, 7237 2008年10月6日に、地球のほうに向かっている小型の小惑星がカタリーナ・スカイサーベイによって発見され、2008 TC3と名付けられた。その後ほぼ19時間にわたって多くの天体観測が行われた後、小惑星は大気圏に突入し、高度37 kmで崩壊した。大きな破片は残らないと予想されたが、スーダン北部の砂漠地帯で行われた、接近軌道に沿った詳細な調査によって、Almahata Sittaと名付けられたこの単一天体由来の47個の隕石などの、総質量3.95 kgに上る破片が回収された。小惑星と隕石の反射スペクトルから、この小惑星はFタイプの小惑星の表面物質であることが突き止められた。このような表面物質は非常にもろいため、今まで隕石として報告されたことはなかった。既知の種類の小惑星からの隕石回収は、宇宙船によるサンプル回収ミッションに匹敵する快挙と言え、しかもロケットを必要としない。表紙は、第3次調査活動中の2009年3月1日にハルツーム大学(スーダン)の学生が見つけた際の、2008 TC3の破片である(Letter p.485, News Feature p.401, www.nature.com/podcast)。 2009年3月26日号の Nature ハイライト 進化:初期の硬骨魚類の姿 生化学:snurpがイントロンを切り出す仕組み 宇宙:風と共に去りぬ 物性:スピン起電力 地球:小プリニウスが見落としたもの 免疫:自然免疫系のセンサー 医学:骨吸収を抑える 生化学:ニコチンの二重生活 目次へ戻る