Nature ハイライト

宇宙:宇宙線天文学の発展

Nature 458, 7240

天文学では、電磁波の全領域にわたり、実際上すべての利用可能な波長域を開拓してきた。ラジオ波、マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線の各天文学では、それぞれ異なった宇宙の姿がみられる。そして今、新しい観測の窓が開かれようとしている。それは「粒子線天文学」である。この新来の分野では、宇宙線、すなわち宇宙空間から到来する荷電粒子の流れを解析する、新世代の検出器が用いられる。特に興味深いのは、エネルギーが1019電子ボルトを超える粒子である。このような粒子を創成したり加速したりできる物理過程は、我々の現在の知識の極限にあるからだ。Review ArticleでP BauleoとJ R Martinoは、過去15年間にわたる超高エネルギー宇宙線物理学の発展について論じ、粒子線天文学の時代になされるであろう発見を予想している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度