Nature ハイライト

宇宙:予想外の変光星から生まれた超新星

Nature 458, 7240

超新星SN 1987Aは、大質量星の進化の後期段階に関するモデルを検証する際には重要となる。この超新星は、前駆天体がまさに爆発前の超新星の位置にあったことがわかっている、唯一のものだからである。前駆天体は、その当時の星の進化モデルでは予測されていなかった青色超巨星であった。今回、SN 2005glの前駆天体が確定され、2つ目の例となった。ハッブル宇宙望遠鏡による1997年撮影のアーカイブ画像から、非常に明るい点源NGC266_LBV 1が、SN 2005glとまさしく同位置に存在したことが確かめられたのである。ハッブル宇宙望遠鏡による2007年の観測結果では、この天体は完全に消失していた。したがって、SN 2005glの前駆天体は高輝度早期変光星であり、従来からの標準的な恒星の進化モデルに従えば、その段階では爆発しなかったはずである。したがって、星の進化モデルはさらなる見直しが必要と思われる。

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