Nature ハイライト

生化学:タンパク質ファミリーを選択する

Nature 458, 7240

天然のタンパク質標的に結合するペプチドやタンパク質、あるいは小分子の設計は、新たな試薬や治療薬開発への有望な道筋といえる。だが、相互作用特異性という問題の扱い、つまり構造的に近いほかの化合物ではなく、目的とする標的のほうに選択的に結合する分子の設計は難しい。Grigoryanたちは、この問題の克服に向けた一歩として、タンパク質-ペプチド相互作用を設計する計算論的枠組みを開発した。彼らは、この方法を使って、ヒトのbZIP転写因子群に結合するペプチドを選び出した。bZIPタンパク質群はアミノ酸配列や構造が非常によく似ているにもかかわらず、選ばれたペプチドは1つのファミリーにのみ選択的に結合した。例えば、あるペプチドはがんタンパク質c-Jun、c-Fosおよびc-Mafには結合するが、ほかの19のbZIPファミリーには結合しなかった。

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