Nature ハイライト 進化:次の環境変化に備える微生物 2009年7月9日 Nature 460, 7252 一見したところ、微生物は、環境や環境内に生じるあらゆる変化に翻弄されているかのようだ。何かが起こったときの微生物の反応は行き当たりばったりのように思える。そのため、一連の変化が反復的なパターンに従うような環境にいる細菌と酵母のどちらもが、1つの刺激をその後の環境への適切な対応に結びつけることができるという知見は、いささか驚きである。腸管を通過する大腸菌と、発酵のさまざまな段階を経る酵母は、ある意味でパブロフの条件付けに似た(ただし認知機能ではなく調節ネットワークおよび自然選択に依存する)過程で、その次に経験することを「予期」し、それに対処すべく代謝経路を組み立てる。その後、大腸菌を一連の環境変化のうち最初のものだけに繰り返し暴露すると、訓練を「忘れて」条件付けされた反応を失ってしまう。 2009年7月9日号の Nature ハイライト 宇宙:銀河とブラックホール 進化:次の環境変化に備える微生物 医学:失明の初期サイン 免疫:B細胞で後から起こるDNA切断 宇宙:z > 2の2つの超新星 量子情報科学:量子コンピュータへの着実な進歩 ナノテクノロジー:DNAでナノチューブを選別する 医学:脂肪細胞と造血能の関係 目次へ戻る