Nature ハイライト 工学:カメラがとらえた流れる粒 2009年6月25日 Nature 459, 7250 自由落下する液体は、すぐに細切れになって液滴になる。これは分子間の引力に起因する表面張力によるものである。意外なことに、砂などの粉粒体の落下流についても同様の結果が生じることがある。そうした流れの場合、表面張力の存在は明らかではなく、塊になる機構はまだ十分解明されていない。今回、粉体流と一緒に落下するハイスピードカメラを用いて、ガラスや銅の粒の落下流が細切れになる現象が調べられ、これが個々の粒の間に働く非常に小さい凝集力に起因するものであり、粒の表面張力は通常の液体のおよそ100,000分の1に相当することが示された。小滴の形状はナノスケールの液体ジェットについて予測されたものと似ているが、現在の理論的枠組みでは今回の結果を的確に説明できない。 2009年6月25日号の Nature ハイライト 植物:植物ホルモンがいっぱい! 発生:細胞の寿命を延ばす再プログラミング 腫瘍:ゴルジ体に関連するがん遺伝子 宇宙:エンセラダスに海はあるのか、ないのか 工学:カメラがとらえた流れる粒 医学:H1N1ウイルスを調べる 医学:ダウン症候群とがん 発生:心拍動が作る血液細胞 目次へ戻る