Nature ハイライト 植物:植物ホルモンがいっぱい! 2009年6月25日 Nature 459, 7250 20世紀前半に発見された「典型的な」植物ホルモンは、オーキシン、アブシジン酸、サイトカイニン、ジベレリン、それにエチレンである。さらに最近になって植物ホルモンであることが知られるようになった物質としては、ブラシノステロイド、ジャスモン酸、サリチル酸、一酸化窒素、およびストリゴラクトンなどが挙げられる。これら新旧植物ホルモンの分子機構に関する研究は急速に進展しており、それについてA SantnerとM Estelleが概説している。タンパク質をユビキチン化して分解するユビキチン/プロテアソーム系は、多くの植物ホルモンのシグナル伝達経路で主要な構成要素の1つとなっていることが突き止められており、個々のホルモン制御系をつなぐ複雑な調節ネットワークが明らかになり始めている(Review p.1071)。もう1つの論文では、細胞間ではなく、以前は考えられたことがなかった細胞内でのオーキシン活性の調節様式が明らかにされている。この機構を作動させているのは、オーキシン排出輸送体のPINファミリーの中でも特異なPIN5で、これは小胞体表面に局在している(Letter p.1136)。 2009年6月25日号の Nature ハイライト 植物:植物ホルモンがいっぱい! 発生:細胞の寿命を延ばす再プログラミング 腫瘍:ゴルジ体に関連するがん遺伝子 宇宙:エンセラダスに海はあるのか、ないのか 工学:カメラがとらえた流れる粒 医学:H1N1ウイルスを調べる 医学:ダウン症候群とがん 発生:心拍動が作る血液細胞 目次へ戻る