Nature ハイライト

Cover Story:科学とメディア:チアリーダーか番犬か

Nature 459, 7250

科学記者として30年以上にわたって活動してきたB Rensbergerは、「Too close for comfort(近すぎて気が抜けない)」と題したエッセーで、変わりつつある科学とメディアとの関係を回顧している(Essay p.1055)。彼によると、最大の変化は、1950年代には一般的傾向として「煽り立て」役を務めていた科学ジャーナリズムが、1962年にレイチェル・カーソンの『沈黙の春』が出版されるころには、口ごもりがちとなり、さらに「番犬の時代」へと変わっていったことだ。かつては科学分野のチアリーダー的存在だった科学記者たちが、極度に疑り深い報道記者のほうに似てきてしまったのである。「デジタル時代」に入って、科学報道はチアリーダーから番犬までの範囲のどこに位置するようになるのだろうか。今週号には、第6回世界科学ジャーナリスト会議に向けて執筆を依頼した記事が、このほかにも掲載されている。T Murcottは、こうした報道がもっと適切になされなくてはいけないというなら、科学研究の過程は外部からもっと見えるようにすべきだと述べている(Essay p.1054)。また、N El-Awadyは、イスラム国家のメディアについて論じている(Essay p.1057)。J EilperinとM Brauchliは、所属するワシントン・ポスト紙での科学記事の将来について論じ合っている(Books and Arts p.1061)。Editorial(p.1033)やオンライン特集(www.nature.com/news/specials/sciencejournalism)もぜひご一読いただきたい。

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