Nature ハイライト

宇宙:カイパーベルト天体による星食

Nature 462, 7275

カイパーベルト天体は、海王星軌道より遠い太陽系領域を占めている。準惑星である冥王星やハウメア、マケマケを含め、その多くは直径が100 kmを超える。大きさでその対極にある、直径1 km以下のサイズの天体は、直接には観測できない。しかしそれらは、背景にある星の食の際に観測できると考えられ、今回そうした例が報告された。アーカイブデータを調査した結果、太陽から45天文単位の距離(海王星の軌道は約30天文単位)にある半径約500 mの天体による食が見つかった。この調査でたった1例しか見つからなかったという事実からすると、直径1 km以下の小さい天体は、直径が「50 km」の天体の数の外挿からの予想数に比べて少ない。これは、小さいカイパーベルト天体は互いの衝突によって徐々に消滅していくことを意味しているのかもしれない。

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