Nature ハイライト 進化:初期の体内受精 2009年8月13日 Nature 460, 7257 板皮類は、原始的な甲冑魚類に属する大規模な一群である。完全に絶滅してしまっているが、その不思議な体の構造は、人類を含む有顎脊椎動物(顎口類)の進化を解明する手がかりとなる。今回、新たな化石の発見で、Incisoscutumの生殖の仕組みが明らかにされた。この化石魚類は、板皮類の中でも重要で大きな分類群の1つである節頸類の一種として注目されている。最近、保存状態の良好なIncisoscutum ritchieiの雌成体の化石が胎仔を伴って発見され、体内受精が行われていたことが示された。今回の新たな化石は同じ種の雄のものであり、腹部に化石魚類のプチクトドゥス類(甲冑をもたない板皮類)やサメ類でみられるような陰茎様の鰭脚があったことを示している。 2009年8月13日号の Nature ハイライト 細胞:幹細胞の開放型クロマチン 宇宙:宇宙の標準光源になる超新星 宇宙:タイタンに吹き荒れる嵐 気候:過去1,500年間のハリケーン活動 地球:山の高さを決める仕組み 進化:初期の体内受精 細胞:酵母の同性接合 がん:がん遺伝子の機能獲得型変異 細胞:テロメアを守る 目次へ戻る