Nature ハイライト 細胞:酵母の同性接合 2009年8月13日 Nature 460, 7257 酵母の仲間で、カンジダ症や重篤な全身性疾患の原因となるカンジダ菌Candida albicansは、かつては無性生殖だけを行うと考えられていたが、通常はみられない接合生活環も存在することが現在では知られている。接合は一般に、近縁の酵母Saccharomyces cerevisiaeと同じ方式で、a細胞とα細胞との融合が起こる。今回、カンジダ菌の新しい有性生殖様式がもう1つ見つかった。分泌型プロテアーゼをコードする遺伝子bar1がないという特殊な条件下では、a細胞どうしの間で同性接合が効率よく起こる。カンジダ菌の同性接合と、カンジダとは無関係な病原性真菌Cryptococcus neoformansの同性接合との間に類似性があることから、この種の「ホモタリズム(同体性)」が、哺乳類宿主内でのこれら真菌の生存を助長している可能性が考えられる。 2009年8月13日号の Nature ハイライト 細胞:幹細胞の開放型クロマチン 宇宙:宇宙の標準光源になる超新星 宇宙:タイタンに吹き荒れる嵐 気候:過去1,500年間のハリケーン活動 地球:山の高さを決める仕組み 進化:初期の体内受精 細胞:酵母の同性接合 がん:がん遺伝子の機能獲得型変異 細胞:テロメアを守る 目次へ戻る