Nature ハイライト 宇宙:タイタンに吹き荒れる嵐 2009年8月13日 Nature 460, 7257 土星の衛星タイタンの新たな観測から、タイタンの赤道付近では大きな対流雲ができないという従来の考えが覆された。タイタンは、地球以外では太陽系で唯一、凝結して雲や雨を作れる分子種(地球では水、タイタンではメタン)をもつ天体である。メタンの雲や湖はこれまで、湿潤な高緯度域で観測されている。しかし、熱帯域には対流雲がほとんど存在しない。ハワイ島のマウナケアにあるNASA宇宙赤外線望遠鏡とジェミニ北望遠鏡の2つを使って得られたタイタンの新しい画像から、明るい一時的な対流圏雲からなる大規模な雲系が、熱帯域に見つかった。雲活動の最初のパルスがプラネタリー波を引き起こし、これがタイタン全域のこれまで数年間雲のなかったほかの緯度域で雲を発生させた。 2009年8月13日号の Nature ハイライト 細胞:幹細胞の開放型クロマチン 宇宙:宇宙の標準光源になる超新星 宇宙:タイタンに吹き荒れる嵐 気候:過去1,500年間のハリケーン活動 地球:山の高さを決める仕組み 進化:初期の体内受精 細胞:酵母の同性接合 がん:がん遺伝子の機能獲得型変異 細胞:テロメアを守る 目次へ戻る