Nature ハイライト 細胞:幹細胞の開放型クロマチン 2009年8月13日 Nature 460, 7257 扁形動物から哺乳類まで、多くの幹細胞のクロマチンには凝縮した領域、つまりヘテロクロマチンがほとんどなく、そのため転写調節因子が近づきやすい開放状態になっている。今回、マウス胚細胞でRNA干渉による新規調節因子のスクリーニングが行われ、クロマチンリモデリング因子Chd1が胚細胞の開放型クロマチンや多能性の維持、および体細胞の多能性状態への再プログラム化に不可欠であることが示された。これは、開放型クロマチンと多能性との間の因果関係を直接示す証拠である。Chd1は生殖系列幹細胞と成体幹細胞の両方で高度に発現していることから、幹細胞にみられる開放型クロマチンと分化能の関連性が一般的な現象である可能性が出てきた。 2009年8月13日号の Nature ハイライト 細胞:幹細胞の開放型クロマチン 宇宙:宇宙の標準光源になる超新星 宇宙:タイタンに吹き荒れる嵐 気候:過去1,500年間のハリケーン活動 地球:山の高さを決める仕組み 進化:初期の体内受精 細胞:酵母の同性接合 がん:がん遺伝子の機能獲得型変異 細胞:テロメアを守る 目次へ戻る