Nature ハイライト 宇宙:LIGOで得られた背景重力波の上限 2009年8月20日 Nature 460, 7258 一般相対性理論では、加速しているあらゆる物体は電磁波に似た重力波を発生し、この重力波は、例えば降着を起こしているブラックホールのような、極度に質量の大きい天体で観測可能なはずだと予測している。このような重力波の存在は、間接的には推測されてきたが、物理学の重要な最終目標はその直接観測で、これは、アインシュタインの理論を実証し、宇宙論の新たな領域に通じる可能性がある偉業となると考えられる。今回、重力波探査を目的とする複数の検出装置の1つ、LIGO(レーザー干渉計重力波検出器)の初期の観測結果から、宇宙論的起源の背景重力波の上限が導かれ、さらなる重力波探査に向けた出発点が得られた。このデータは、比較的大きな状態方程式パラメーターをもつ初期宇宙の進化モデルや、いくつかの弦理論モデルで支持されている比較的小さい張力をもつ(超)弦理論モデルを除外するものだ。 2009年8月20日号の Nature ハイライト 進化:細菌融合の名残 物理:アト秒の世界を見る 細胞:小胞体でのAtlastinの役割 細胞:遺伝的リスクを最小に 宇宙:LIGOで得られた背景重力波の上限 地球:インドの失われた水 医学:パンデミックを起こしたウイルスの特徴 植物:SNORKELで雨季に打ち勝つ 目次へ戻る