Nature ハイライト 地球:インドの失われた水 2009年8月20日 Nature 460, 7258 水資源は、世界中の多くの場所で貴重なものとなっており、インドもその例にもれない。北西インドでは、地下水は自然に補充されるよりも速い速度で消失していることが、間接的な証拠から示されている。しかし、大規模にわたる枯渇速度を地上観測から評価するのは難しい。今回、NASAのGRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment)衛星の重力観測データと土地表面モデルを組み合わせて用いて、インドにおける地下水貯留量の時系列変動が得られた。この分析によって、2002年から2008年の間に、北西インドでは地下水枯渇が徐々に深刻化しつつあることが明らかになった。ラジャスタン、パンジャブ、ハリヤナという北インドの各州にわたって平均された地下水の枯渇速度は、年平均4.0 cmであった。この原因は、潅漑などの人為的用途のための、供給源を維持できない地下水消費である可能性が最も高い、と著者たちは考えている。 2009年8月20日号の Nature ハイライト 進化:細菌融合の名残 物理:アト秒の世界を見る 細胞:小胞体でのAtlastinの役割 細胞:遺伝的リスクを最小に 宇宙:LIGOで得られた背景重力波の上限 地球:インドの失われた水 医学:パンデミックを起こしたウイルスの特徴 植物:SNORKELで雨季に打ち勝つ 目次へ戻る