Nature ハイライト 植物:SNORKELで雨季に打ち勝つ 2009年8月20日 Nature 460, 7258 アジアでは、雨季の洪水が広範囲にわたって稲作を壊滅させることがある。一部のイネ系統は、茎を急速に伸長する能力を発達させることにより、このような環境ストレスに適応してきた。この種のイネは通常、高さ1メートルくらいまで成長するが、洪水が起こると茎は短時間で大幅に節間を伸長させ、水位によっては数メートルにまで成長することがある。服部洋子(名古屋大学)たちは、浮イネの節間伸長を引き起こす遺伝子SNORKEL 1とSNORKEL 2を同定した。この2つの遺伝子は、気体の植物ホルモンであるエチレンのシグナル伝達を調節する転写因子をコードしている。これらの遺伝子を高収量栽培品種に導入することで、洪水の多い地域のコメ生産量を増加させることができるかもしれない。 2009年8月20日号の Nature ハイライト 進化:細菌融合の名残 物理:アト秒の世界を見る 細胞:小胞体でのAtlastinの役割 細胞:遺伝的リスクを最小に 宇宙:LIGOで得られた背景重力波の上限 地球:インドの失われた水 医学:パンデミックを起こしたウイルスの特徴 植物:SNORKELで雨季に打ち勝つ 目次へ戻る