Nature ハイライト 化学:薄くなったゼオライト触媒 2009年9月10日 Nature 461, 7261 ゼオライトは、マイクロ孔をもつ結晶性アルミノケイ酸塩で、サイズ・形状選択的触媒として工業に広く用いられている。しかし、この触媒活性を実現するマイクロ孔自体が、拡散を制限する原因にもなっている。Choiたちは、二官能性界面活性剤の存在下でゼオライトを合成することによって、この問題を克服できることを示している。この界面活性剤によって、マイクロ孔の形成が誘導されると同時に、ゼオライト結晶の成長が制限され、わずか1単位格子厚の「ナノシート」が得られる。この構造のために、超薄膜ゼオライトは、大きな有機分子の触媒変換に対して非常に高い活性を示すようになる。そして、メタノールからガソリンへの転換時のコーク析出と触媒不活性化が大幅に抑制されたことからわかるように、拡散の制限は最小限となる。 2009年9月10日号の Nature ハイライト 細胞:mRNAの分解は翻訳中に始まる 細胞:テロメア以外にもかかわるTERT 宇宙:月で見つかった純粋な斜長岩 量子情報科学:光をスライスし切り刻む 化学:薄くなったゼオライト触媒 地球:酸素の増減の歴史 脳科学:決断を変えるとき 免疫:アポトーシス細胞が除去の標的となる仕組み 目次へ戻る