Nature ハイライト 宇宙:月で見つかった純粋な斜長岩 2009年9月10日 Nature 461, 7261 月の主要成分である斜長岩は、大部分が斜長石から構成されている火成岩である。その斜長岩の月サンプル分析から、月の高地の明るい色をした地殻は、斜長石が全球マグマオーシャンから結晶化し浮上してできたと考えられている。このような地殻ができた詳しいメカニズムについては、まだ決着がついていない。今回、日本の月探査計画セレーネの月周回主衛星である「かぐや」からの分光分析データを使って、月の69か所における地殻組成が調べられた。得られたデータは、事実上純粋な、つまり斜長石が100%の斜長岩が広く分布していることを明らかにしている。これは、斜長石の体積分率が82〜92%であるとした以前の推定値とは異なっており、月のマグマオーシャンの進化モデルに対して重要な制限を与えるものだ。 2009年9月10日号の Nature ハイライト 細胞:mRNAの分解は翻訳中に始まる 細胞:テロメア以外にもかかわるTERT 宇宙:月で見つかった純粋な斜長岩 量子情報科学:光をスライスし切り刻む 化学:薄くなったゼオライト触媒 地球:酸素の増減の歴史 脳科学:決断を変えるとき 免疫:アポトーシス細胞が除去の標的となる仕組み 目次へ戻る