Nature ハイライト 複雑系:臨界点の手がかり 2009年9月3日 Nature 461, 7260 生態系から金融市場や気候に至る複雑系には、閾値あるいは臨界点があり、その前後で、ある安定な状態から全く異なる状態への移行が突然起こることがある。このような臨界点をそこに到達する前に予測するのは極めて難しいが、幅広い分野での研究成果から、臨界点が迫っていることを知らせる共通の初期警戒信号が、さまざまな系に存在することがわかってきた。Schefferたちは、今回の総説で楽観的結論を下している。つまり、重大な移行が起こりそうな状況下では、警戒信号に共通する特性から、大きな事象が生じる確率が上昇しているかどうかについての貴重な情報が得られる可能性があるというのだ。 2009年9月3日号の Nature ハイライト 複雑系:臨界点の手がかり 生化学:転移RNAをあるべき場所におく 宇宙:M31を取り巻く銀河のかけら 構造化学:デザイナーDNA結晶 細胞:iPS細胞由来のマウス 細胞:タンパク質を光で操作 細胞:がん形成を促進する抗酸化物質 考古:握斧がヨーロッパに到来した時期を見直す 目次へ戻る