Nature ハイライト 生化学:転移RNAをあるべき場所におく 2009年9月3日 Nature 461, 7260 転移RNA(tRNA)は、核で転写とプロセシングが行われた後に、翻訳が起こる細胞質へと送り出される。tRNAは、輸送受容体Xpotにより核膜の孔を通って運ばれるのだが、今回、Xpotの単独状態の構造と、tRNAおよび輸送に必要なまた別の因子であるRanGTPの両方が結合した状態の構造が決定された。XpotへのtRNAの結合は大きな構造変化を引き起こし、XpotはtRNAを包み込んで、その5′と3′末端の両方と相互作用するようになる。これによって、成熟していない末端をもつ、プロセシングを受けていないtRNAが核から運び出されるのを防ぐ、タンパク質合成における品質管理の重要な機構が説明される。 2009年9月3日号の Nature ハイライト 複雑系:臨界点の手がかり 生化学:転移RNAをあるべき場所におく 宇宙:M31を取り巻く銀河のかけら 構造化学:デザイナーDNA結晶 細胞:iPS細胞由来のマウス 細胞:タンパク質を光で操作 細胞:がん形成を促進する抗酸化物質 考古:握斧がヨーロッパに到来した時期を見直す 目次へ戻る