Nature ハイライト 脳:場所細胞の場所のわきまえ方 2009年10月15日 Nature 461, 7266 ヒトがあちこち移動するとき、空間情報は海馬の「場所」細胞により符号化され処理される。これらのニューロンのそれぞれは、個体がその「担当場所」にいるときに発火率を増し、したがって空間位置を発火率で符号化している。海馬の場所細胞の発火パターンは過去40年以上にわたって詳しく調べられ、神経回路内で場所と時間を符号化する機構を説明する理論的モデルが複数提案されている。最近の技術的進歩により、覚醒し行動しているマウスがバーチャル迷路中を移動する際の場所細胞の活動を細胞内記録できるようになり、こうした理論的モデルの検証が可能になった。今回その初期の成果として、場所フィールドの閾値下の3つの特徴、つまりシータ振動数の膜電位振動の振幅増大やベースライン膜電位の漸増的脱分極の存在などが指摘された。 2009年10月15日号の Nature ハイライト 脳:場所細胞の場所のわきまえ方 物理:スピンアイスの磁流 材料:結晶にうまくつながる準結晶 化学:α-アミノ酸を大量に合成する 地球:氷床の薄化を予測する 海洋:古細菌のアンモニア酸化 進化:「高尚な」変異株が不正を打破する 脳:読み書きを司る脳領域 生理:魅力的な口説き 細胞:主役は光 目次へ戻る