Nature ハイライト 海洋:古細菌のアンモニア酸化 2009年10月15日 Nature 461, 7266 好気的アンモニア酸化は、地球の窒素循環の重要な過程の1つである。この反応の触媒を行っているのは、わずかな種類の細菌のみだと考えられていたが、広く分布する古細菌種も同じ反応を行っていることが数年前に発見された。今回、SCM1という海洋性古細菌分離株の研究により、この株がアンモニア酸化細菌をはるかに上回るアンモニア親和性をもつことが明らかにされた。このことは、貧栄養性の海洋で海洋性古細菌がほかの微生物と十分に競合できることの説明となり、海洋の窒素循環における硝化作用は、現在通用している生物地球化学的モデルで考えられているより、ずっと広範に行われていると考える説を裏付けている。 2009年10月15日号の Nature ハイライト 脳:場所細胞の場所のわきまえ方 物理:スピンアイスの磁流 材料:結晶にうまくつながる準結晶 化学:α-アミノ酸を大量に合成する 地球:氷床の薄化を予測する 海洋:古細菌のアンモニア酸化 進化:「高尚な」変異株が不正を打破する 脳:読み書きを司る脳領域 生理:魅力的な口説き 細胞:主役は光 目次へ戻る