Nature ハイライト 脳:読み書きを司る脳領域 2009年10月15日 Nature 461, 7266 我々が読み書きを学習する際に脳に起こる変化を調べることは、大変に難しい。それは、読み書き、つまり識字の能力は普通子ども時代に獲得されるが、この時期にはほかの多くの発達変化も起きているからである。しかし南米コロンビアで、子ども時代に読字教育を受けなかった数人を含む元ゲリラのグループが、この国の一般社会に復帰したことで、識字の過程を脳画像化技術を用いて調べる機会が得られた。「遅れて読み書きを教わった人たち」(遅延識字者)と、同国人の読み書きができないままの人たち(非識字者)の脳構築の比較から、識字能力の獲得と関係する可能性のあるいくつかの脳部域が明らかになった。頭頂葉内の左右の角回を連絡する経路は、識字の獲得年齢や能力とは関係なく、読字に重要らしい。 2009年10月15日号の Nature ハイライト 脳:場所細胞の場所のわきまえ方 物理:スピンアイスの磁流 材料:結晶にうまくつながる準結晶 化学:α-アミノ酸を大量に合成する 地球:氷床の薄化を予測する 海洋:古細菌のアンモニア酸化 進化:「高尚な」変異株が不正を打破する 脳:読み書きを司る脳領域 生理:魅力的な口説き 細胞:主役は光 目次へ戻る