Nature ハイライト

遺伝:X染色体が種分化に果たす役割

Nature 461, 7267

日本に生息するトゲウオ科魚類のイトヨの個体群で、新たに生じた性染色体系が見つかった。同じ場所に生息するもう1つの近縁種には、これがない。この発見は、性染色体の変化が生殖隔離および種分化の原因として、これまで考えられていたよりも大きな役割をもっている可能性を裏付ける証拠となる。新たに進化したX染色体は雄の求愛行動に関与する遺伝子を含んでおり、一方、祖先型のX染色体は行動隔離の遺伝子と雄の雑種不妊の遺伝子の両方を含んでいることが、遺伝学的マッピングで示された。これらの形質は、この種と太平洋でみられる祖先種との間の効果的な生殖的障壁の一部となっている。

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