Nature ハイライト

宇宙:土星に見つかった、あっと驚く巨大な環

Nature 461, 7267

土星の主環系の画像はよくみられるが、これはほんの一部に過ぎない。太陽系に属する環の大半は、惑星半径の数倍以内の範囲にあり、この領域では重力加速度によって衛星が形成されにくい。土星の暗いE環は例外で、土星半径の約10倍に達する薄い塵の広がりからできている。スピッツァー宇宙望遠鏡は、土星の衛星のうちで最も外側にあるフェーべの観測を行い、E環の外側、土星半径の128〜207倍の領域に、未知の巨大な環が広がっているのを見つけた。この環の垂直方向の厚さが土星半径の40倍であるのは、フェーべが軌道に対して上下運動していることとうまく一致しており、おそらくこの環はフェーべから放出された物質でできているものと思われる。これらの環の粒子は、土星系の主環から惑星間空間の縁まで広がっているようだ。

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