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Cover Story:コペンハーゲン会議の行方:気候関連条約はどのようにして作られる?

Nature 461, 7267

コペンハーゲン会議の行方 国連気候変動会議をわずか45日後に控えて、今週号のNewsとOpinionでは、各国間の折衝のカギとなる問題を論じている。最新の展開はあまり明るいものではなく、富裕国と貧困国の考え方の隔たりは相変わらず大きい(News p.1034)。Opinionでは、気候変動に関する政府間パネルの議長を務めるR Pachauri氏が、折衝に対するインドの姿勢について述べている(p.1054)。Pachauri氏によれば、インドは前向きな取り組みをめざしており、強制的な排出量制限は受け入れないとしても、国内で努力することで功績を上げたいと考えているようだ。中国社会科学院のJ Pan氏は、世界全体の二酸化炭素排出量を2050年までに50%削減し、先進国では80%削減するというG8首脳宣言が打ち出した目標を検討し(p.1055)、開発途上国との公平性を期するなら、より富裕な国は削減量をもっと増やすべきだろうと論じている。京都会議の折衝を仕切った外交官であるR Estrada-Oyuela氏は、コペンハーゲン会議の成功は、折衝のリーダー役の技量にかかっていると考えている(p.1056)。News Featureでは、世界の最貧国の中では先頭を切って適応活動を行っているブータンの国連基金による洪水防止計画について、A Nayarがまとめている(p.1042)。J Tollefsonは、熱帯の国々が森林中に含まれる炭素量を見積もるのに使える簡単な方法について、ペルーから報告している(p.1048)。Books & Artsでは、S Khannaが気候に関する文化的見地からの論争を論評し、R Giffordは「気候変動」という考えを受け入れてもらうための心理的考察について、またD Reayは地球温暖化に関する本の進化について論じている(pp.1058〜1061)。Editorial(p.1027)やオンライン特集(www.nature.com/roadtocopenhagen)も参照されたく、またgo.nature.com/hzQ2MDでの討論にもご参加いただきたい。

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