Nature ハイライト 生化学:ユビキチン鎖の伸長 2009年12月3日 Nature 462, 7273 ユビキチン鎖のタンパク質への結合は、タンパク質の安定性、局在、および活性を制御する重要な翻訳後修飾である。この過程ではE1、E2、およびE3という一連の酵素がユビキチン鎖の形成を仲介し、重複していたり、あるいは損傷を被ったりしたタンパク質は、適切にユビキチン化されるとプロテアソームにより分解される。だが、ユビキチン鎖の形成機構は不明である。R Deshaiesたちは、生化学的および計算科学的方法を用いて、ユビキチン鎖形成をミリ秒の時間分解能で調べた。得られた結果は、単一ユビキチン分子が1つずつ運ばれることにより、基質上でユビキチン鎖が形成されるという考え方を裏付けている。この研究は、ユビキチン化酵素を標的とする治療法の探索に役立つかもしれない。 2009年12月3日号の Nature ハイライト 発生:細胞の系譜を強制変更 生化学:ユビキチン鎖の伸長 宇宙:フレアを伴うマイクロクエーサー 宇宙:大質量星の死 物理:磁場を模倣する 気候:モンスーンに対する太陽の影響 医学:Foxa2が肥満を防止する可能性 医学:軽く触れても痛い 目次へ戻る