Nature ハイライト 宇宙:フレアを伴うマイクロクエーサー 2009年12月3日 Nature 462, 7273 銀河系内のマイクロクエーサーは、伴星からガスを降着させている中性子星あるいは恒星質量ブラックホールという連星系である。これらは、相対論的エネルギーにまで粒子を加速し電波フレアを放射できるが、ジェットにエネルギーを与える機構はわかっていない。2007年半ばから2009年半ばにかけて行われたはくちょう座領域の探査で、100 MeVを超えるエネルギーをもつ4回の大きなγ線フレア現象が、マイクロクエーサーはくちょう座X-3で発生したのが見つかり、これらはそれぞれ1〜2日間持続した。γ線フレアと電波放射やX線放射の過渡的なスペクトル状態との間に、明瞭な時間相関のパターンがみられた。うち2回のフレアについては、電波ジェットの放射の数日前に粒子加速が起こった。これは、ジェットの形成が高エネルギー粒子の発生と関係していることを示唆している。 2009年12月3日号の Nature ハイライト 発生:細胞の系譜を強制変更 生化学:ユビキチン鎖の伸長 宇宙:フレアを伴うマイクロクエーサー 宇宙:大質量星の死 物理:磁場を模倣する 気候:モンスーンに対する太陽の影響 医学:Foxa2が肥満を防止する可能性 医学:軽く触れても痛い 目次へ戻る