Nature ハイライト 医学:Foxa2が肥満を防止する可能性 2009年12月3日 Nature 462, 7273 インスリンが、飢餓および摂食に応答して、代謝と行動を調節する新規な機構が発見された。神経ペプチドであるオレキシンやMCH(メラニン凝集ホルモン)は、絶食時に脳の古典的な「摂食中枢」である視床下部外側野で放出され、動機付けられた行動を誘発し、食物摂取を促進する。今回マウスを使った研究で、オレキシンやMCHの発現は、転写因子Foxa2による調節を受けていることが示された。摂食後には、インスリンシグナル伝達がFoxa2の影響を無効にし、オレキシンやMCHの産生が止まる。Foxa2が恒常的に「オン(活性型)」になっているマウスは、オレキシンやMCHの量が多く、摂食量も増え、身体の動きも活発で、インスリン感受性も改善されていた。肥満マウスでFoxa2を「オン」にすると、除脂肪体重が増加し、脂肪量が減少する。したがって、Foxa2のリン酸化の薬理学的阻害は、身体活動のレベル上昇につながり、健康全般が改善される可能性がある。 2009年12月3日号の Nature ハイライト 発生:細胞の系譜を強制変更 生化学:ユビキチン鎖の伸長 宇宙:フレアを伴うマイクロクエーサー 宇宙:大質量星の死 物理:磁場を模倣する 気候:モンスーンに対する太陽の影響 医学:Foxa2が肥満を防止する可能性 医学:軽く触れても痛い 目次へ戻る